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バリィさんの今治探訪

今治の隠れた名所を、いまばりバリィさんが訪ねます

今治港 今と昔をめぐる旅

 今日の舞台は今治港。今治の玄関口として長い歴史を刻んできました。2022年に開港100周年を迎え、最近なにかとにぎやかになってきたようです。バリィさんと今治港の今と昔を旅してみましょう。

人が行き交う交流の港へ

 色とりどりのテントがズラリと並び、大勢の人が行き交う今治港。今治産の旬の野菜やスイーツに、キッチンカーからはおいしそうな匂い。とれたての新鮮な魚を求めてセリ市に集まる人たち……。なんだか楽しそうでしょ?この「せとうちみなとマルシェ」は2022年11月、今治港の開港100周年の年に始まった新しいイベントです。「瀬戸内の『うまい!』に出会える海辺のマルシェ」をテーマに、毎月第2・4日曜に開催されています。今治港は今、新しく生まれ変わろうとしています。

今治港のはじまり、はじまり

 その前に、まずは今治港のはじまりを振り返ってみましょう。『太平記』に船着き場として「今張(今治)」が登場するのが一番古い記録かもしれません。その後、関ケ原の戦いで功績を挙げた藤堂高虎公が1600(慶長5)年に今治城を築城し、舟入船頭町を造ったことから今治港の歴史が始まりました。

 とはいえ、まだまだ小さかった港が急激に発展していくのは、明治から大正にかけてのことでした。今治海運業のパイオニア・飯忠七の奮闘で1876(明治9)年に大型船を誘致したことから今治の産業、主に伊予綿ネル(今治タオルのルーツですね)などの繊維産業が活気づきます。忠七の苦労が実り多くの船が今治港を往来するようになると、1921(大正10)年には重要港湾に、翌年には四国初の開港場(外国との貿易が許された港)に指定され、神戸税関今治支署が設置されるという目覚ましい発展ぶり!

 戦後になると、商いの港としてはもちろん、観光の港としても注目されるようになります。1959(昭和34)年に民営としては全国初のカーフェリーが今治〜三原間に就航。九州と阪神方面を結ぶ大型フェリーも寄港するなど航路は拡大し「大型カーフェリーの時代」が到来します。また今治港と島しょ部を結ぶ島民の生活航路も整備され、今治港の乗降客はピークの1974(昭和49)年で年間およそ300万人に!今治港は、まさに今治の玄関口でした。今も港周辺に並ぶ商店や旅館、今治商店街の大きなアーケードに、大勢の人であふれる当時の賑わいぶりが見えるようです。

訪れた転機 新しい港へ

 トントン拍子に発展を続けてきた今治港ですが、転機が訪れます。1999(平成11)年の「瀬戸内しまなみ海道」の開通です。今治〜尾道間をいつでも時間を気にせず行き来できる橋は、物流と人流に大きな変化をもたらしました。交通の足が船から車へとシフトし、定期航路は徐々に縮小。観光港としての今治港は冬の時代を迎えます。

 しかし開港から100年たった今、今治港の周辺は少しずつ変化しています。2015(平成27)年に港の新しい拠点として「みなと交流センター はーばりー」が完成したのを皮切りに、2020年には600メートルの「海のコンコース」、2021年には「KATAHARA WOOD BASE」が整備されました。そして2022年10月、今治港の開港100周年を祝う記念式典が華々しく行われ、新しい時代の幕開けを予感させました。かつて大型船やフェリーが行き交う「交通の港」であった今治港は今、人と人が交わる「交流の港」を目指し、再び転機を迎えているのです。

 海に向かって開かれた町・今治にとって、今治港は昔も今も大切な場所です。市民の心の拠り所として、町の賑わいを作る場所になっていってほしいものです。これからの今治港をバリィさんも見守っていますよ。

バリィさんのトリビア

飯忠七と徳富蘆花の碑(ふれあいマリン広場)

 みなと交流センター はーばりーの前に広がる小さな芝生のスペース「ふれあいマリン広場」。行き交うフェリーを眺めたり、散歩の休憩をしたり、のんびりした空気が流れる市民の憩いの場です。ここには今治の海運業の基礎を築いた飯忠七の功績を称える碑と、今治英学校の教師として今治に一時滞在した小説家・徳富蘆花の碑があります。ちなみに蘆花の碑を設計したのは少年時代を今治で過ごした世界的な建築家・丹下健三氏。まるで今治にゆかりのある3人が並んで海を眺めているようです。

KATAHARA WOOD BASE

 フェリー乗り場横、片原緑地公園のあった場所に2021年11月に完成したのがKATAHARA WOOD BASE(片原ウッドベース)です。「今治港サイクルスペース市民提案リニューアルプロジェクト」として実際に市民が参加し、ウッドデッキやテーブル付きベンチを制作。愛媛県産の杉材を使った温かみのあるおしゃれな空間に生まれ変わりました。自転車のスタンドも設置され、サイクリストや市民が港の風景を眺めながらゆっくり過ごせる場所になっています。ここにも「交流の港」のしかけが作られているようです。

マルシェキッチン

 2022年11月のせとうちみなとマルシェのスタートとともにオープンした「マルシェキッチン」は、マルシェで購入した地元の新鮮な魚をプロが下処理をしてくれる便利な施設です。ウロコを取ったり三枚におろしたりはもちろん、お刺身にしてくれるサービスも。海を目の前にした会場でプリプリのお刺身を頬張るなんて、最高の贅沢ですね。