i.i.imabari!

今治で働く、今治で暮らす。今治企業情報サイト「ハタラク」

今治の魅力とは バリィさんの今治探訪 今治スタイル 学生向けの就職情報発信LINE 友だち追加

LINE運用ポリシー

いまばり暮らし アイアイ今治

今治のヒト

今治で活躍している人にインタビュー

自転車競技選手 三谷 尚子さん

現在自転車競技の選手として活躍されている、今治市在住の三谷尚子さんにお話をお聞きしました。

子どものころから自転車競技に参加

 「小学生の頃、無理やりと言うと言い過ぎかもしれませんが、父に自転車の競技に出場させられていました。当時は競技があまり好きではなくで練習もろくにしていませんでした。」と話す。成績は上がらず、結局やめてしまい、それからはずっと自転車から離れていた。中学校に入ると陸上を始め1,500mで県2位という成績を残す。もともと身体能力は高かったようだ。

ママ友とランチポタリング

 若くして結婚し、子育て中は自分の時間を持つことは難しく、スポーツも全くしていなかった。そんな中、ママ友ができて情報交換したり、一緒に遊んだりすることが多くなる。「おいしいものを食べに行くのが楽しくて、みんなで自転車で行くようになりました。サイクリングというほどでもなく、いわばランチポタリングかな。」少しずつ遠出もするようになる。実際に走ると三谷さんが一番速くて、特に坂になると誰もついてくることができなかったそうだ。一生懸命走っているわけではないのにみんなよりも速いことがうれしくて、自転車にはまっていったという。そんな時、転機が訪れる。

自転車情報番組「チャリダー」出演

 2016年4月、NHK BSの自転車情報番組「チャリダー」が『坂バカ女子』を募集していると聞き、軽い気持ちで応募した。「その時は面白半分だったし、全国版の番組だと思っていなかったんです。まさか採用されるとは思ってもいませんでした。」ところが、あれよあれよという間に4次審査まで進み、200人もの応募者からメンバーの5人に選ばれる。ここから大きく人生が変わることとなる。

 それから2年間『坂バカ女子部』として、全国各地で開催されるヒルクライムレースに参戦。レースに出場するごとに、どんどん力がついてくる。そうなるともっと速くなりたいと思うようになり、さらに練習を重ねる。完全に自転車中心の生活となり、実生活に支障をきたすこともあったという。しかし、もう自転車から離れることはできなかった。その魅力というか魔力に取りつかれてしまったようだ。2年目にはすべての大会で上位4位以内に入るまでになっていた。

本格的に自転車競技を始める

 まだまだ速く走りたいと日々練習に励んでいたそんな折、競輪場で走ってみないかと誘われ、それが本格的な自転車競技に入るきっかけになった。競輪場での走行は今まで経験がなかったスピードと風を感じることができた。

2017年の愛媛国体は補欠として参加

 翌年の福井国体ではチームスプリントとスクラッチにエントリーし、チームスプリントはパートナーのけがにより参加できず、スクラッチは予選敗退。全国レベルとの差を痛感し、悔しさと情けなさで涙が止まらなかったという。その後、2019年3月には西日本チャレンジロードレースに参加、Aクラスで4位、カテゴリー別で2位となり2019年の全日本ロードの出場権を獲得。その年の4月、日韓スポーツ交流会に参加、30代ヒルクライムレース2位、30代タイムトライアル2位という好成績を残す。6月には全日本ロード(静岡県)、9月に都道府県対抗自転車競技大会(鹿児島県)に出場し、ロードレースで32人中11位となる。少しずつだが実績を残しつつある。2020年も多くの大会に出場予定だという。

 20歳という若さで結婚し、10年間は子育てに奮闘していた。しんどくてつらいこともあった。当時はほとんど自分の時間はなかったと振り返る。もちろん楽しいこともいっぱいあったし、3人の子どもはちゃんと育ってくれている。今それが一段落し、わがままかもしれないけれど自分のことを中心に生きていくことができている。

 「もちろん今の職場の理解、また支援してくれている多くの人たちのおかげで今の自分があります。私が、競技をすることによりたくさんの人に勇気や希望をあたえることができればこんな幸せなことはないと思っています。」と最後に話してくれた。

 チャリダーという芸能界から自転車競技へ。一見華々しく派手なようだが、非常に厳しい世界だ。こつこつと練習をしていかないと実績を残すことはできない。犠牲にしたことも多くあるはずだ。それでも懸命に生きていく三谷さんに深い感銘をうけた。今後の活躍に期待したい。