今治の企業で働いている人にインタビュー
仕事内容と入社何年か教えてください。
現場でタオル織機のメンテナンスや切れた糸をつないだりする仕事をしています。入社6年になります。
この仕事を選んだきっかけは?
父親が調理師の仕事をしており、父と同じ道を選ぶべきかあるいは地元の企業に就職するべきか考えたのですが、高校に進学するときに繊維科のある学校を選んだことで、タオル業界へ進むことになりました。
実際に仕事をしてみてどうでしたか?
繊維科で学んだとはいえ、やはり実際の仕事は最初なにもわからない状態でした。先輩の教えてもらいながら何度も何度も繰り返し作業をすることで、やっと自分のものになりました。自分ひとりでできたときのうれしさは今も忘れません。
どのように勉強しましたか?
よい先輩にめぐりあうことができて、たくさんのことを教えてもらいました。でもすぐに忘れしまうので、こまめにメモをとってそれを家で清書していつでも見返すことができるように整理しています。
それはすばらしいですね。苦にはならなかったですか?
実は勉強がきらいなんです。最初はいやでしたが続けているうちに習慣になって、今でも続けているんです。
ある時、家の押し入れから調理師の父が書いたレシピノートが出てきて、それを見ると図が入ったりしてすごくきれいに整理されているんです。すごく驚きましたね。父はそんな努力は私たちには見せなかったのですが、ちょっと見直しました。私も父に負けないように頑張りたいと思います。
入社6年ということですが、今の自分を客観的に見ていかがですか?
まだまだできてないことばかりだと思います。ある程度は任せてもらえているところもあるのですが、先輩の方たちに比べるとまだまだ荒いので、もっと丁寧にしかも早くできるようになっていかなければと思います。
今治タオルが世界的なブランドになってきていますが、どのように感じていますか?
もちろんうれしいし、すごく誇りに思います。自分たちが作ったタオルが世界で評価されてみんなに喜ばれていることは本当にすばらしいことです。
でも、作る側としてはプレッシャーもあります。ずっと今のブランド価値を維持するには、今よりももっと高い品質のものを作り続けていかなければならない。そのためには私たちや、その後輩たちの若い力にかかっているのではないかと思っています。
そうですね、維持することの方が難しいですよね。確かにこれからは若い力が大切ですね。では質問を変えます。今の仕事やりがいはどんなところにありますか?
先ほどと同じようなことになるのですが、やはり、今治タオルが高級ブランドとして定着し、そのよさがみなさんに伝わったことです。作り手としてこれほどうれしいことはありません。そのタオルを自分が作っていることに誇りを感じます。
ではこれからどんなことに挑戦したいと思っていますか?
昨年、タオル組合の技能士検定2級を取得したのですが、今度は1級に挑戦し、1回で合格したいと思っています。合格するには今の織機だけでなく古い織機の実技、そして、筆記試験。糸からタオルになるまで、機械のこと、染色のこと、電気関係などタオルに関するあらゆる知識が必要になります。今後タオルのプロフェッショナルとしてやっていくには、ぜひこれは合格したいと思っています。
最後に20年後の自分はどんな自分でありたいか?どんな自分になっていると思いますか?
タオルのエキスパートになって、この会社で後輩たちを引っ張ていける存在になりたいと思います。
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